車の買い取り査定士は買い取る車を査定する際にはまず車全体をチェックします。
点検順序
@外周一巡:ナンバープレート、全体の印象
A運転席及び室内:自動車検査証・保険証の転記、点検整備記録簿並びに標章の確認、走行キロ、計器、装備品の確認、内装の状態確認、ボンネット及びトランクのロックを外す、エンジン始動、クラッチ、ミッションなどの機能点検
Bエンジンルーム:車体打刻番号、ネームプレート、エンジン打刻型式の確認、冷却水とエンジンオイルの量と汚れ、もれ等の不具合の有無確認
装備機器(エアコン、パワーステアリング等のユニット)の有無確認
C前部:前部前部及び下回り、フロントガラス
D側面:側面外販及びピラー、下回り
E後部:後部外販及びトランクルーム内、下回り
Fルーフ:ルーフパネル及び各ガラス
G試走:機能作動の状態(試走しない場合もあります)
@全体と部分
まず車輛から少し離れて車輛全体を一つの物として観察します。
車の傾き、ロードクリアランス
、標準仕様と異なる改造、塗装の状態、ボンネット、ドア、トランクフードなどの隙間の揃具合等を目視と感覚によって全体をつかみます。
部分的な欠点もそれが生じた原因を推測し、周囲の区画にも気を配ってみていきます。
A外周を一巡して
●車輛姿勢に不自然な傾きはないか、左右対称か、前後の釣合は自然か、歪みやネジレはないか。
ロードクリアランスは正常か、床下面に以上はないか。
●車体外面の映え
パネル面に対して2030位の方向から透かして見た移り具合から、波打ち、曲り、凹み、すり傷、色調や肌触りなど不自然に変わっているところはないかを見ます。
この観察は修復歴発見の最初の手がかりともなります。
前後のナンバープレートに不自然に不規則な補正跡のあるものは修復歴の可能性を疑います。
●違法改造の有無
車高を下げているもの
オーバーフェンダーを痕から装着したもの
フロントガラス及び運転席側、助手席側ドアガラスのフィルム張り
基準に適合しないスポイラー
エンジンに変更のあるもの
マフラーが改造されているもの
ステアリングホイールが適法でないもの
座席が異形なもの
灯火または警音器が適法でないもの
トラックでは、リアボディを違法に載せ替えているもの
これらは原則的に道路運送車両の保安基準に適合する形に戻す必要があり、減点の対象となります。
●排気と排気管の汚れ具合
●デファレンシャルの油もれの有無
B運転席及び室内
●装備品の確認
標準装備かオプションか、純製品か、機能は正常か
●内装の状態
標準のものがそろっているか。
破れ、ほころび、シミ臭気などの不具合はないか、フロアマット及び床板の以上はないか
●機能
エンジンのかかり具合と加速具合並びに音
クラッチのつながりぐ亜と滑りの有無
ミッションの操作具合と音
各ペダル及びブレーキレバーの具合
ステアリングホイールの遊び、パワーステアリングの効き
ワイパーの作動
各メーター及びウォーニングランプの作動
その他伝送機器の作動
●定期点検記録簿の内容閲覧
Cエンジンルーム内
●現車と自動車検査証との同一性の確認
●各装備品機器の有無と状態(エアコンパワステユニット等)
●内部周壁パネルの補修跡
●冷却水とエンジンオイルの良、もれ、混り、オーバーヒート跡
●マスタシリンダー及びバッテリーの液量
Dボディ外販
●板金補修跡の有無
●損傷とその位置
●腐食の有無
●損傷の二次波及の有無と範囲
●トランクルーム内補修跡の有無
E塗装
●むら、ペーパー加工、パテ等の補修跡
●色替えられていないか
●変色、退色
Fガラス
●フロントガラスの傷(ワイパー傷、飛び石傷等)
修復歴の疑いのある場合はガラスの製造マークの確認(メーカー製造年月日)
G灯火及び反射器
●保安基準に適合しないもの
方向指示器の点滅回数等
Hタイヤ
●編摩耗はないか
●タイヤは正規のものか
I試走
●試走できる場合は試走して、加減速の具合、ハンドル及びブレーキの効きと偏りの有無、異常な音や振動の有無、
凹凸路面通過時の制振状況や音、振動の具合を調べます。